【第3幕】
第1場 レナートの書斎
怒りに震えるレナートは妻に死を命ずる。覚悟したアメーリアは、最後に息子と会わせてくれと頼むのだった。妻が去るとレナートは、リッカルドの肖像をにらみながら復讐を誓う。そして反逆者たちに仲間となることを申し出る。三人がそれぞれの名を書いた紙を壷に入れ、アメーリアにそのひとつを引かせて、誰が暗殺者の役を果たすか決める。アメーリアが引いた紙は、レナートのものだった。そこに、仮面舞踏会の招待状を携えた小姓のオスカルがやって来る。仮面で顔を隠して暗殺を企む男達、この陰謀をどうやってリッカルドに伝えようかと悩むアメーリア、無邪気に舞踏会を待ちわびるオスカルの想いが交錯する。
第2場 リッカルドの書斎
リッカルドはアメーリアを諦め、レナート夫妻を本国イギリスに帰すことを決心する。そこにオスカルが現れ、見知らぬ夫人から内密に預かってきたという手紙を差L出す。手紙には、今夜の舞踏会に命を狙うものが紛れ込んでいると書かれてあった。だが、リッカルドは最後にもう一度アメーリアと会うために、出席を決心する。
第3場 舞踏会場
大舞踏会場で華やかな宴が繰り広げられている。レナートは、オスカルから総督の扮装を聞き出す。アメーリアが、そっと総督に近づき、逃げるよう強く説得するが、ついにレナートの剣で胸を刺される。リッカルドは苦しい息の下で、レナートを呼び寄せ、アメーリアは純潔であることを神に誓い、彼ら夫妻をイギリスに栄転させることを告げ、その書類を渡す。また、謀反に関わった全ての人々を無罪にするよう言い残し、感謝と別れを告げて、こと切れるのだった。 |